ゲイシャの発祥の地はエチオピア
ゲイシャはエチオピア南西部カファ地方で1931年に分離されたアビシニアの在来品種といわれています。ゲイシャという名称は1936年にイギリス領事から農業大臣宛に書き綴られたレポートに発見したエチオピアにある原産地の地名(ベンチマジ地区ゲシャ村)に由来しています。その後ケニア~タンザニアを経由して1953年にコスタリカの農学研究所持ち込まれたが標高が低かったため味が悪く見捨てられていましたが1960年代にパナマのドンパチ農園が栽培し始めました。2000年代になってからパナマ・ボケテ地区のエスメラルダ農園で耐病性の為に偶然栽培されましたが、その後このエスメラルダ農園のゲイシャが2004年の「ベスト・オブ・パナマ」で1位になり当時の落札最高額の世界記録を更新したことで全世界でゲイシャの一大ブーを起こしました。現在では原産地と環境条件が似た中南米やアフリカ、アジアでも栽培が盛んに行われています。しかし栽培のテロワールが難しく生産量も少ないことから「幻の珈琲」ともよばれています。
また最近ではゲイシャと名乗っていてもいつの間にか知らない間に他品種と自然交配してしまったものも出てきています。

当店では精製方法の違う2種類のゲイシャ(ナチュラルとウオッシュド)をご紹介
ひとつ目のゲイシャは、ゲシャ種が発見されたベンチマジ地区にあるゲシャビレッジ農園のナチュラル。グレードは最高の「G-1」。このゲシャビレッジ農園は農園主のアダム氏とレイチェル夫人が2011年に現地の部族「メアニット族」の理解と信頼関係を築き互いの協力のもと、原生林近くに農園を開拓しました。農園から約20キロの位置する原生林ゴリゲシャの森は森というよりジャングルそのもので、たどり着いたのはジャスミンの香りが広がるゲシャ種の現生地で様々なゲシャ種が実をつけていました。ゴリゲシャの森から木を持ち帰り様々な品種から選別をされた内、栽培品種を3種類に絞っていきました。。品種名の「ゴリゲイシャ」はその中のひとつで原生林「ゴリゲシャの森」にちなんで命名されました。完熟果実だけをアフリカンベッドで乾燥。ジャスミンの風味とベリーやプラムのような爽やかな酸味が特徴です。

ふたつ目のゲイシャは、同じくベンチマジ地区のゲシャ村にあるケビルゲイシャ農園のウオッシュド。Kebir Coffee Trading社が所有するケビルゲイシャ農園は標高1730~1980mに位置します。丁寧に収穫された豆は水洗処理後アフリカンベッドで乾燥されます。こちらもグレードは最高品質の「G-1」。第一印象は透明感のあるレモンティー、フローラルやジンジャーのようなフレーバーと蜂蜜のような甘み、ゲイシャ特有のジャスミンのような香りがお楽しみ頂けます。
ちなみにこの豆の収穫期は2023年10~12月で、2024年1月に開催された「テイスト オブ ハーベスト エチオピア」では堂々の第9位に入賞しました。

焙煎豆は商品によって焙煎日が違いますので両方が店頭に並ばないときがございますが、タイミングによっては両方の焙煎豆がお求め頂ける場合もございます。
両方あればナチュラルとウオッシュドのゲイシャが味わえるチャンスになりますので、ぜひご賞味くださいね。